5月に入り、名古屋も暑い日が多くなってきましたが、たまに夜に冷えることもあるので体調管理が難しい季節です。
相続税対策も兼ねて養子縁組を検討されている方もいらっしゃいますが、未成年を養子にする場合には、メリット、デメリットがあります。
メリットとしては、養子縁組全般に言えることですが、基礎控除額および保険金の非課税枠が、実子がいる場合は1人分まで、実子がいない場合には2人分まで、増えます。
そのため、相続税が確実に減ります。
また、相続税の計算上、相続人が増えることで税率が低くなる可能性もあります。
また、未成年の場合は、未成年控除の適用を受けることができ、未成年者控除を未成年者本人が使い切れない場合には、民法の場の扶養義務のある親等がその未成年者控除の恩恵を受けることができます。
そのため、税金面では、ほぼメリットしかありません。
他方、失敗例としては、養子も相続人のうちの一人であることから生じることが多いです。
過去に相談を受けた事例では、未成年者を養子にしていた方が遺言書を作成していませんでした。
遺言書を作成していない場合には、相続人間でも分割協議が必要になります。
しかし、未成年者は、一人では分割協議に加わることができません。
通常は、未成年者の意思表示は、親が代わりに行うものですが、孫養子の場合は、その孫養子と相続人である親は、被相続人の財産について、片方の取り分が増えればもう片方の取り分が減るという関係にあるので、例外的に親が代わりに意思表示をすることができません。
そのため、裁判所に申し出て、特別代理人という人を用意することが必要であり、手続きが複雑になります。
遺言書があればそういった手続きの複雑さが軽減されますが、相続手続き全体に詳しくないと落とし穴があるのが相続の難しさと言えます。