株式の売却益には税金がかかりますが、様々な場合があり注意が必要です。
上場株式では、原則として、株式の売却益について、所得税及び住民税合わせて、約20%の税金がかかります。
名古屋のある非上場会社の株式を相続により取得した方が、相続後3年程度経過してからその会社に株式を買い取ってもらうことを考えていました。
その方は、約20%程度の税金を払えば大丈夫と考えていたのですが、これは間違いです。
非上場会社の株式を売却すると、実質的には株主が会社から利益の払い戻しを受けたのと同じであり、みなし配当にあたり総合課税となるため、所得税及び住民税合わせて、最大約55%の税金がかかってきてしまいます。
ただし、いつでもこの税金がかかるわけではなく、「相続で取得した非上場株式を発行会社に譲渡した場合の課税の特例」の適用を受けることにより、上場株式の売却と同様、約20%の税金ですむこともあります。
要件としては、相続税が生じていることや相続発生から原則として3年10か月以内に行われた譲渡であること等があります。
上記の相談にのった方は、もうすぐ相続発生から3年10か月が経過するという時期でした。
そのため発行会社に買取の打診をして売却すること等のアドバイスをしました。
特例を知っているか知らないかだけで、税金に大きな違いが出ることもありますので、税金でご不安な方は税理士に相談することをお勧めします。