12月に入り名古屋もかなり寒くなってきました。
前回は、相続開始後、医療保険を相続した場合の課税関係について説明しました。
この度は、生前に保険契約の名義変更をした場合の課税関係を説明しようと思います。
医療保険の契約者を祖父母から孫に名義変更をすると、契約者孫・被保険者孫、となり、あたかも保険を贈与したように見えます。
また、保険の名義変更の課税関係を考えるとき、評価が問題となります。
保険契約の税金上の評価は、保険を解約したときに解約返戻金がいくら戻ってくるかという点から行います。
医療保険の場合は、大抵掛け捨ての保険が多く、解約返戻金はほぼないことが多いです。
そういった前提から、祖父母から孫に生前に、保険の名義変更が行われると、贈与税がかかるかどうかの判断を行い、年間110万円以下であれば贈与税がかからないと書いてあるネット記事がありますが、間違いです。
保険の名義変更について、相続税法は、保険事故が発生した場合において、保険金受取人が保険料を負担していないときは、保険料の負担者から保険金等を相続、遺贈又は贈与により取得したものとみなす旨規定しています。
つまり、祖父母がなくなった際に、相続税の検討を行うことになります。 名義変更という、保険料を負担していない保険契約者の地位は課税上は特に財産的に意義のあるものとは考えておらず、契約者が保険料を負担している場合であっても契約者が死亡しない限り課税関係は生じないのです。