2世帯住宅と相続税

これから、名古屋で2世帯住宅を建てようと考えている方は、やり方によって、相続税について、大きな節税を行うことができます。

 その節税できる理由、注意点について、大枠をお話できればと思います。

 まず、基本的に、2世帯住宅は、相続税を少なくするという観点からは、親の資金で建てるようにしてください。

 子供を甘やかせてはならない、子供にも一家の主たる自覚を持たせるといった目的から、子供の資金又は子供がローンを組み、2世帯住宅を建てさせるという方もいますが、相続税の観点からはおすすめしません。

 例えば、3000万円で家を建てる計画を建てることを前提とします。

親の財産が現金で1億円、子供が3000万円を持っていた場合、子供が全部家の建築資金を出したとすると、子供の財産はゼロ、親の財産は1億円がそのまま残り相続税がたくさん発生します。

 相続人が子供一人だとすると、相続税は、約1200万円です、

 そのため、子供の総財産は、相続後、8800万円(1億円-1200万円)の現金と家ということになります。

 他方、親が全部家の建築資金を出した場合、子供は3000万円の財産を残したままです。親の財産は7000万円と家となります。

 3000万円で建築した家だとしても、木造であれば、数十年後、相続税評価額は、数百万円程度にまで下がります。

 そのため、親に相続が起きた場合でも、500万円程度の相続税で済みます。

そのため、子供の総財産は、相続後、9500万円(3000万円+7000万円-500万円)の現金と家ということになります。

 他にも、敷地部分について、小規模宅地の特例といった土地の評価額の減少ができるかどうか、住宅資金贈与を使うかどうか、といった点も、相続税に関わってきますので、これから2世帯住宅を建てようと考えている方は、税理士にご相談ください。

令和3年度税制改正と教育資金の一括贈与の非課税措置

令和3年度税制改正により、教育資金の一括贈与の非課税措置の一部が改正されることになりました。

 

まず、教育資金の一括贈与の非課税措置は、期間限定であり、本来、令和3年3月31日までの措置でした。

しかし、2年延長されることになり、令和5年3月31日まで適用期間となります。

次回も延長されるとは限りませんので、教育資金贈与を検討されている方は、早めに贈与をしてしまったほうがいいといえるでしょう。

 

また、改正前の教育資金の一括贈与の非課税措置は、死亡前3年以内に非課税措置の適用を受けた場合、死亡時点における管理残額に相続税の課税の対象とされていました。

それが、贈与者の教育資金一括贈与から死亡時までの年数に関わらず、死亡時点における管理残額に相続税の課税対象とすることになりました。

ただし、受贈者が23歳未満である場合、学校に在学している場合、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合、この内のどれかに当てはまれば、死亡時点における管理残額に相続税はかかりません。

 

これまで、被相続人からみて孫やひ孫に教育資金を一括贈与し、管理残額に相続税がかかる場合であっても、2割加算されることはありませんでした。

しかし、令和3年の税制改正により、令和3年4月1日以降には、孫やひ孫に相続税が2割加算されることになりました。

 

このように、増税の方向で、税制が改正されていますので、しっかりと制度の内容を理解して、教育資金一括贈与の額を贈与者、受贈者の年齢等を考慮した上で、決めることがより重要になっています。

 

名古屋にお住まいの方で、生前対策に興味のある方は、お気軽にご相談ください。