空き家特例と床面積

最近、名古屋の相続した実家を売却した方から、空き家特例の適用範囲について、相談を受けました。

 実家の敷地(1筆の土地)に、本宅と離れがある場合、本宅に対応する敷地部分にしか空き家特例の適用ができません。

 国税庁HPでは、床面積に応じて(按分して)特例の適用できる範囲を計算するのだと記載がありました。

 ただ、本宅及び離れが平屋ではない場合、総床面積で按分するのか、建築面積(通常1階部分の床面積)で按分するのか、どちらが正しいのでしょうか。

 その点について、国税庁のHPには記載がありませんでした。

 ある大手税理士事務所のネット記事では、総床面積で按分するのが正しいと明記されていましたが、根拠が記載されていませんでした。

 もう少し調べてみると、令和2年6月19日裁決(https://www.kfs.go.jp/service/JP/119/03/index.html)という裁決例がありました。

 この裁決例では、空き家特例そのものに関する裁決ではなく、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例の適用に関する裁決で、建築面積で特例の適用の対象面積を決めるべきであるとの判断がされました。

 しかし、複数の建物が同じ敷地にあり特例の適用の対象となる部分を限定しようとしている点、厳密には空き家と居住用財産では意味が異なるものの人の居住用部分を限定しようとしている点では空き家特例と居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例は類似していています。

 そうすると、更に調べることで異なる見解、根拠が出てくる可能性もありますが、空き家特例においても、総床面積ではなく、建築面積で敷地を按分して、特例適用面積を計算するほうが正しいように思われます。

相続税と贈与財産の加算

前回は、贈与することで、相続財産を減らす方法を説明しましたが、贈与しても意味のない場合があります。

贈与資産の3年内加算と言われることもあります。

これは、相続又は遺贈により財産を取得した者が被相続人から贈与を受けていた場合、相続開始前(つまり亡くなった日から遡って)3年以内のものについては、相続財産に加算して、相続税の計算がされるという制度です。

毎年110万円ずつ贈与を受けているが、贈与税は発生しないので、私には関係ないという相続人の方もいらっしゃいますがそれは間違いです。

贈与税が発生しない基礎控除額以内の贈与であっても相続開始前3年以内に受けた贈与は、加算されることになります。

以上の説明から、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも、相続又は遺贈により財産を取得した者が贈与を受けていた場合の制度なので、相続人ではない孫に贈与していた場合や子供の配偶者に贈与していた場合は、贈与資産の3年内加算がなされることはありません。

相続財産を減らして、相続税を減らすために孫や子供の配偶者に贈与をするというのは、余命がある程度わかっている場合には、相続人が支払う相続税を減らすための有効な方法と言えます。

ただし、孫や子供の配偶者が受遺者となる場合、つまり遺言によって財産を受け取る場合、厳密には受遺者ではありませんが死亡保険金を受け取る場合には、贈与資産の3年内加算の対象になってしまうので、注意が必要です。

このように単に贈与と言っても誰が受け取るかによって、また、相続の際に財産を受け取るかどうかによって、相続税の課税財産は大きく変わってくるので、名古屋にお住まいで、相続税のことが心配な方は、一度税理士法人心にご相談ください。

保安林の名義変更と登録免許税

相続を原因として,保安林の名義変更をするため,法務局に登記申請する際には,登録免許税が必要となります。

登録免許税は,原則不動産の固定資産税評価額の0.4%となります。

保安林の場合,毎年送られてくる固定資産税明細書には,評価額が0円と記載され非課税となっている場合がありますし,そもそも金額が少なく固定資産税納税通知書が送られてこない場合もあります。

また,固定資産税の評価証明書を取得しても0円と記載されることも多いようです。

このことから,登録免許税も0円なのではないかと思う方もいらっしゃいますが,実際には,評価額を記載の上,登録免許税を計算する必要があります。

どのように保安林の評価額を調べるかといいますと,市区町村役場で,近傍山林の1㎡辺りの評価額を確認する必要があります。

評価証明書等の取得を申請する際に,事前に電話をかけ,名義変更に使用する予定であること,近傍山林の1㎡辺りの評価額を記載してほしい旨を資産税課の担当者に伝えれば,保安林の評価額がわかる資料を取得することができます。

単純に,評価証明書を取得するだけでは,保安林の評価額は0円としか記載されないこともありますので,注意が必要です。

細かい運用は,市区町村役場によって異なります。

1㎡辺りの評価額が記載されている場合,不動産の全体の評価額が記載されている場合,、近傍山林の評価額に関する固定資産税評価証明書を出してくれる場合などがあるようです。

名義変更には,意外な落とし穴があることもありますので,心配な場合には,専門家に相談することをおすすめします。

名古屋駅の近くに事務所を構えておりますので,お仕事帰りなどご都合の良い時間に,弁護士法人心までご相談いただければ幸いです。

相続税と生命保険金

4月に入りましたが,名古屋はまだ時々寒い日があります。

 

今回は,相続税と生命保険について,説明していきます。

 

保険料負担者及び被保険者を被相続人,保険金の受取人を相続人とする生命保険を利用することで,相続税を軽減できる可能性があります。

死亡保険金は,法定相続人1人につき,500万円の非課税限度額があります。

例えば,法定相続人が3人いる場合は,死亡保険金が1500万円あったとしても,死亡保険金すべてが,非課税となります。

なお,例えば,法定相続人が3人いて,保険金以外の相続財産が5000万円,死亡保険金が2000万円ある場合,課税財産は,5500万円(5000万円+2000万円-1500万円)となります。

 

死亡保険金によって,非課税限度額を最大限利用するためには,現在所有する財産がどれだけあるのか,仮に現在相続が発生した場合に,どれだけ相続税が発生するのかをシミュレーションして,どれだけの額の保険に入るのかを検討する必要があります。

例えば,法定相続人が3人の場合は,基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3)なので,現在所有している財産が4800万円以下であれば,相続税対策を考える必要はなく,保険に入る必要も,相続税との関係ではないといえます。

 

また,死亡保険金は,納税資金の確保としても利用することができます。

相続財産が土地ばかりであることが予想される場合,相続人間の関係が悪く被相続人の預貯金を引出すことができない可能性がある場合は,納税に必要な資金を相続税申告及び納付の期限である相続後10ヶ月以内に取得できない可能性があります。

他方,保険金は,保険受取人固有の財産ですので,相続人間で紛争が起こったとしても,紛争とは関係なく,保険を受け取ることができます。

 

相続税との関係で保険に入ることを考えられておられる方は,ぜひ一度ご相談ください。

基礎控除額と相続放棄

名古屋もずいぶん寒くなってきました。

 

 

本日は,相続税における基礎控除額を計算する際の注意点を書いていこうと思います。

 

相続税の基礎控除額は,相続税の申告義務があるか否かを判断するにあたって,非常に重要な基準となります。

 

この基礎控除額の算出過程に誤りがあると,申告義務があるにも関わらず,申告が必要がないと勘違いしてしまい,相続税の申告期限後に税務署の税務調査が入り,無申告加算税というペナルティを受ける可能性すらあります。

 

平成27年1月1日以後発生した相続については,相続税の基礎控除額は,3000万円+(600万円×法定相続人の数)という計算式から求められます。

 

そして,相続人の中に相続放棄した人がいる場合でも,相続放棄した相続人も法定相続人の人数に含めて,基礎控除を計算します。

 

よくある間違いは,相続放棄した相続人は,遺産を相続することがないので,基礎控除額の計算で法定相続人の数に含めないという間違いです。

相続放棄した相続人が1人の場合,本来の基礎控除額より600万円低い金額が基礎控除額であると誤信し,相続税申告が必要でないのに,相続税申告をしてしまうというおそれがあります。

 

また,例えば,相続人が被相続人の子供1人だけ(第1順位)で,その子供が相続放棄をした結果,第2順位である被相続人の父親と母親の2人が相続人となった場合を考えます。

よくある間違いとしては,相続人が父親と母親の2名が相続人であることから,基礎控除額が4200万円であると考えてしまうことです。

この場合も,法定相続人は,相続放棄したとしても,子供1人だけですので,基礎控除額は3600万円となります。

このように,本来の基礎控除額よりも600万円高い金額が,基礎控除額であると勘違いしてしまった結果,相続税申告をする必要があったのにもかかわらず,相続税申告をせず,税務署に指摘を受けるということがありえます。

 

このような,間違いをしないためにも,相続税に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

税理士法人心では,相続税申告の業務を承っております。

固定資産税と相続(連帯納付義務) 後半

今回も,7月と同じく固定資産税について書いていきます

平成30年4月に名古屋の土地の所有者Aが亡くなり,相続人Bと相続人Cがいて,平成31年1月1日時点でも,相続人BC間で分割がされず共有状態であることが前提です。

 

平成31年1月1日時点での土地の所有者は,共有者であるBとCですので,BとCが納税義務者となります。Aの納税義務を承継したわけではありません。

 

地方税法第10条の2 共有物、共同使用物、共同事業、共同事業により生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。

 

この規定を根拠に連帯納税義務があるとされ,自治体は,Bさん又はCさん一人に対して,固定資産税の納付を求めることができ,2分の1は別の相続人が所有しているから半分以上は固定資産税を納付しない!と拒否することはできません。

 

では,前回の記事の内容に戻りますが,

Aが亡くなった年の固定資産税,また,それ以前に未納の固定資産税があった場合にも連帯納税義務があるのでしょうか。

この点について,地方税法からすると,連帯納付義務はなく,相続人は相続分に応じた按分額の責任を負えば足りると考えます(私見)。

 

ただし,実務上,未納額等の固定資産税の通知書で,相続人ごとに按分したものは見たことがありません。

相続人の内の誰か一人に,全額分の通知書が来ることがほとんどです。

ただし,自治体のHPの記載を調べてみると,相続人には,連帯納付義務がありますという記載はあるのですが,根拠としては,地方税法第10条の2(共有者に連帯納付義務があるという規定)をあげているものがほとんどでした。

おそらく実務上,被相続人が亡くなった年の固定資産税及び未納の固定資産税について,一人の相続人が自分の相続分の割合以上の支払い,後に他の相続人と清算をすることがほとんどで,自治体に対し,自分の相続分の割合以上の支払いを拒否する人はあまりいないと思われます。

 

地方税法を熟知している人は少ないと思いますが,そういう場合は,条文を一つ一つ丁寧に調査確認する必要があります。http://www.lawyers-kokoro.com/

固定資産税と相続(連帯納付義務)前半

今日は,固定資産税の納税義務者が亡くなられた場合,固定資産税は誰が払うべきなのか,連帯納付義務があるのかについて,考えたいと思います。

ちなみに,文献や自治体のHP等を調べても,明確に記載されているものはなかったので,あくまでも私見で,今後訂正するかもしれません。

 

例えば,平成30年4月に名古屋の土地の所有者Aがなくなり,相続人Bと相続人Cがいると仮定します。なお,平成31年1月1日時点でも,相続人BC間で分割がされず共有状態であったとします。

 

まず,固定資産税とは,毎年1月1日時点の所有者に課税される税金です。

地方税法第359条 (固定資産税の賦課期日)

固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。

 

ですので,4月にAがなくなったからといって,4月までの固定資産税はA名義で納付を求められ,それ以降の固定資産税は相続人名義での納付が求められるということはありません。

あくまでも,1月1日時点で土地の所有者であったAに固定資産税が課税されます,ただし,Aがなくなった場合は,相続人に納税義務が承継されます。

 

地方税法第9条1項(相続による納税義務の承継)

相続(包括遺贈を含む。以下本章において同じ。)があつた場合には、その相続人(包括受遺者を含む。以下本章において同じ。)又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十一条の法人は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下本章において同じ。)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(以下本章において「被相続人の地方団体の徴収金」という。)を納付し、又は納入しなければならない。ただし、限定承認をした相続人は、相続によつて得た財産を限度とする。

 

そして,相続人が複数いる場合には,相続人が相続分により按分して納付義務を負います。

地方税法第9条2項

前項の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第九百条から第九百二条までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を納付し、又は納入しなければならない。

 

以下,8月の記事に続く

生前贈与と相続税対策

本日は,生前贈与の注意点をいくつか書いていきます。

 

相続税は,相続開始時における相続財産を評価して,相続税評価額を確定した上で算出される税金です。

ということは,相続開始日までに事前に相続人に贈与をしておけば,相続税が少なくなります。

ただし,贈与の額によっては,贈与税が課されます。

一般的に,同じ額であれば,贈与税の税率のほうが相続税の税率よりも高いので注意が必要です。

 

暦年贈与について

贈与税には,毎年(暦年)110万円の基礎控除があるので,110万円以下の贈与であれば,贈与税はかかりませんし,申告も不要です。

ただし,相続開始日から3年以内の相続人に対する贈与は,110万円の基礎控除額以内の贈与であっても相続税の計算の基礎となる財産として加算されます。

このような加算を避けるためには,法定相続人ではない方に贈与するのがおすすめです。

例えば,被相続人予定者の孫,法定相続人の配偶者に贈与するという方法も考えられます。

 

相続時精算課税について

相続時精算課税とは,一定額(2500万円)まで贈与時に贈与税がかからないかわりに,相続の時に贈与時の評価額で相続税の計算の基礎に加算するという制度です。

相続財産の先渡しというイメージで良いかと思います。

そのため,現金で贈与する場合は,同じ額が相続税の計算の基礎に加算されるので,結局,贈与しなかった場合と同じ相続税を払うことになります。

他方,値上がりが見込まれる土地や株式を2500万円分相続時精算課税を利用して贈与しておけば,相続開始時に,その土地や株式が値上がりしていたとしても,相続開始時において,相続税の計算の基礎として2500万円加算するだけですみますので,値上がり分だけ相続税を少なくすることができます。

 

その他にも国は,生前贈与を勧めており,配偶者に対する贈与,住宅資金の贈与,教育資金の贈与,結婚子育て資金の贈与の場合に,一定の要件のもと,贈与税の優遇をしています。

 

名古屋に住んでいる方はお気軽にご相談ください。

相続税対策と養子について

4月に入り,名古屋も少しずつ暖かくなってきました。

 

本日は,養子と相続税対策について書きたいと思います。

相続税は,一定以上の相続財産がある場合に,課せられます。相続財産に関わらず支払わなければならない税金ではありません。

平成27年改正以後,3000万円と600万円×法定相続人の人数の合計額以上の相続財産がある場合に,相続税が課されるようになりました。

3000万円と600万円×法定相続人の人数の合計額を基礎控除額といいます。

法定相続人には,養子も含まれますので,養子縁組をすることで,基礎控除額を増やし,相続税対策になるといえます。

しかし,養子を増やし,無制限に基礎控除額を増やすことができるわけではありません。

相続法15条2項

前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子がある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする。)とする。

一 当該被相続人に実子がある場合又は当該被相続人に実子がなく、養子の数が一人である場合 一人

二 当該被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合 二人

 

この様に,被相続人に実子がいる場合には,基礎控除額の計算の基礎となる養子の人数は1人まで,被相続人に実子がいない場合には,基礎控除額の計算の基礎となる養子の人数は2人までに制限されています。

なお,税法上の養子の人数が制限されているだけですので,民法上養子の数は制限されていません。

 

ただし,養子縁組すれば,相続人となる予定の人達にとっては,自分の相続分が少なくなることを意味しますので,相続人になる可能性がある人達を交えてじっくり話し合う必要があります。

単に,相続税だけに目を向けるのではなく,様々な視点から考えた上で,相続税対策をする必要がありますので,専門家にご相談されることをおすすめします。

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孫養子と2割加算

名古屋の弁護士の内堀です。

 

今回は,孫養子に関係する相続税の規定の話をしようと思います。

 

相続税対策として,孫を養子にする方法が有名です。

基礎控除は,「3000万円+法定相続人の数×600万円」という計算をするので,孫を養子にすることで,600万円分の節税になります。ただし,孫養子が法定相続人となれば,当たり前ですが,孫養子にも法定相続分に応じた相続財産を取得する権利がありますし,遺言等で孫養子に一切の財産を承継させないとしていたとしても,遺留分が認められます。

そのため,孫養子の行動次第では,新たな相続紛争の種が生まれることになります。

推定相続人が全員で,孫養子について節税のメリットだけでなく,どのようなデメリットがあるのかを検討する等,孫養子という相続税対策をするには,慎重な対応が求められると思います。

 

また,孫養子の場合は,相続税に関して不利な規定が相続税法に定められています。

 

(相続税額の加算)

第18条 相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその百分の二十に相当する金額を加算した金額とする。

2 前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。

 

この規定から,孫養子は原則として,相続税が通常の場合よりも2割加算されます。

ただし,孫養子が代襲相続人としての地位も有する場合には,2割加算の対象とはなりません。

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死亡届について

名古屋の弁護士の内堀です。

12月に入ったというのに,名古屋は時々汗ばむような陽気で,寒がりな自分としてはありがたいです。

 

今日は,死亡届に関することを書こうと思います。

人が亡くなったとき,最初にする手続きの一つとして,死亡届の提出があります。

 

届出義務者は,死亡届7日以内に届け出する義務があります。

誰が届出義務者かという定めは,戸籍法にあります。

第86条1項

死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。

 

死亡届が出されていなければ,火葬を行うことができないなどの不都合があります。

また,正当な理由なく死亡届を出さない場合には罰則が定められています。

 第135条

正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、5万円以下の過料に処する。

 

最近は,孤独死が社会問題化となっておりますが,賃貸等で一人暮らしの方がなくなった場合は,誰が死亡届を出さなければならないのでしょうか。

その点についても,戸籍法に定めがあります。

第87条1項

左の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。但し、順序にかかわらず届出をすることができる。

第一 同居の親族

第二 その他の同居者

第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

2項 死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人も、これをすることができる。

 

戸籍法の定めから,後見する人がいない天涯孤独の方が賃貸物件で孤独死した場合は,大家さんといった賃貸物件の管理人らが死亡届を出す必要があるかもしれないので注意が必要です。

 

相続税と上場株式の評価(特に,課税時期が土日祝日のとき)について

名古屋の税理士兼弁護士の内堀です。

最近名古屋も肌寒くなる日が増えてきました。みなさま,風邪をひかないようにお気をつけください。

 

さて,本日は,相続の際,上場株式をどのように評価するのかを説明したいと思います。

国税庁によると

財産評価基本通達169

上場株式の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。

(1) (2)に該当しない上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所(国内の2以上の金融商品取引所に上場されている株式については、納税義務者が選択した金融商品取引所とする。(2)において同じ。)の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最終価格が課税時期の属する月以前3か月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額(以下「最終価格の月平均額」という。)のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する

(2) 負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。

 

とあります。

簡単にいえば,課税時期(相続開始日)の最終価格,相続開始日の属する月の1か月前の最終価格の月平均額,2か月前の最終価格の月平均額,3か月前の最終価格の月平均額の中で最も低い金額で評価できるということです。

 

なお,課税時期(相続開始日)の最終価格ですが,課税時期が休日で株式市場が開いておらず,株価が存在しない場合はどうするのでしょうか。

 

財産評価基本通達171

169≪上場株式の評価≫の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期に最終価格がないものについては、前項の定めの適用があるものを除き、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる最終価格をもって課税時期の最終価格とする。

(1)

(2)又は(3)に掲げる場合以外の場合 課税時期の前日以前の最終価格又は翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格(その最終価格が2ある場合には、その平均額)

 

との定めがあります。

 

例えば,相続開始日が土曜日であるなら,金曜日の終値が課税時期の最終価格となります。

このこと知らず,相続開始日が土曜日であるにもかかわらず,相続開始日以後のいちばん近い平日(月曜日)の株価を最終価格とする方もいますので,注意が必要です。

民法改正と遺留分について

名古屋では,台風が過ぎ去ったものの,夏の様な気候が戻ってきています。

弁護士の内堀です。

 

今回は,民法改正の一部について書いてみたいと思います。

 以前,不動産と遺留分について,記事を書きました。

その時は,

「相続財産が不動産しかない場合,遺留分権利者は原則として,不動産の持分について移転登記を請求することしかできないのですが,受遺者が,金銭で賠償したいと反論した場合にのみ,遺留分を現金でもらうことができます。」と書きました。

 

このような現行法では,遺留分減殺請求権が行使されることで,遺贈の目的物の土地や非上場株式が共有状態になり,権利関係が複雑になってしまっていました。

 また,遺留分権利者には,現物を取得するか,金銭を取得するかの選択肢が与えられていない点も問題視されていました。

 

このような状況のもと,民法の改正がされ,以下のような条文が創設されました。

改正民法第1046条1項

 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

 

この条文により,改正民法施行後は

遺留分権利者は,遺留分侵害額に相当する金銭の支払いのみを請求することにできるようになりました。

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葬式費用と債務控除

名古屋の税理士兼弁護士の内堀です。

 

今回は,債務控除のうち,一番金額が大きくなることが多い葬式費用について,説明していきます。

 

まず,相続税申告の際には,相続人の財産をすべて確認・評価し,プラスの財産からマイナスの財産を引いて,相続税の課税対象となる被相続人の財産の額を算出します。

プラスの財産から葬儀費用といったマイナスの財産を差し引くことを債務控除といいます。

 

なお,葬儀費用は,被相続人の死後に発生する債務なので,被相続人のマイナスの財産には当たらないようにも思えます。

しかし,人が亡くなれば,葬式は当然に行われるものであり,被相続人の財産から負担されるべきものであるという考え方から債務控除が認められています。

 

次に,債務控除が認められている葬儀費用の範囲が重要となります。

葬儀費用の範囲が間違っていれば,本来債務控除できるはずの額を少なく申告し,納付する必要のない相続税を納付してしまうということにもなりかねません。

逆に,本来債務控除できないものを債務控除して申告すれば,税務署が税務調査を行い,足りない相続税を納付するように指摘を受け,さらにペナルティを受ける可能性もあります。

 

葬式といっても,宗教の違いや地域の違いにより,その様式は様々ですし,葬儀費用の範囲を法律で厳格に定めることは難しいことから,何が債務控除できる葬式費用か国税庁が一定のルールを定めています。

そのルールによれば,葬式費用となるは,①葬式の際に,火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(簡単に言えば葬儀会社に通常支払う費用です。),②葬儀会社への支払い以外で通常,葬式(お通夜含む)の際にかかる費用(飲食の費用,心付け等),③葬式の際にお寺に支払う読経料等のお布施,④死体の捜索,死体や遺骨の運搬にかかった費用,といったものが挙げられます。

他方,葬式費用とならないのは,①香典返しの費用,②墓石や墓地の購入費用,墓地借地料,③初七日,法事に関する費用,といったものが挙げられます。

葬儀会社に支払う費用で,初七日の費用が区別されている場合(内訳明細等で確認します。)は,初七日の費用を差し引いた上で,債務控除することになるといったことも必要なので,債務控除できるかどうかご心配であれば専門家にご相談されることをお勧めします。

相続税の納付の注意点

名古屋の弁護士・税理士の内堀です。

 

今回は,相続税の納付の際の注意点について,説明したいと思います。

 

相続税の申告と納付は,相続を知った日の翌日から10か月内に,被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に対しておこなう必要があります。

例えば,名古屋市中区が最後の住所地であれば,名古屋中税務署に申告と納付をする必要があります。

 

相続税の納付方法として,分割や物納を原則として認められていません。現金一括払いが基本です。

預貯金が多ければそれでも問題ないのですが,ほとんどが不動産であったり,相続財産の分け方でもめていて,10か月以内に遺産分割協議がまとまらなかったりすると大変です。

特に,未分割で申告する場合は,相続税をおさえる各種特例の適用を受けられないため,予想よりも多くの相続税を納める必要が出てくることもあります。

なお,未分割申告の場合,分割されたあとに,申告をし直すことによって,払いすぎた相続税が戻ってくることもありますので,忘れずに申告をしましょう。

 

そのような原則があるものの,現金で相続税を納付することが困難であるという事情があれば,一定の条件のもと延納制度を利用することができます。

延納も困難な場合には,一定の条件のもと物納制度を利用することができます。

 

相続税の納付についてお困りの方は一度,専門家にご相談されることをおすすめします。

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公正証書遺言の保管期間

弁護士の内堀です。

本日は,公正証書遺言の保管期間についてお話したいと思います。

普通方式の遺言には,自筆証書遺言,秘密証書遺言,公正証書遺言の3種類があります。

このうち,自筆証書遺言,秘密証書遺言は,基本的に,遺言者本人が保存するものなので,保管期間を気にする必要がありません。紛失の恐れはありますが・・・

他方,公正証書遺言は,遺言の原本を公証役場が保存します。

公証役場はどの程度の期間,この原本を保存するのでしょうか。

 

公正証書遺言の原本保管期間は,原則二十年であると,公証人法規則に規定されています。

公証人法施行規則27条1項

公証人は、書類及び帳簿を、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる期間保存しなければならない。ただし、履行につき確定期限のある債務又は存続期間の定めのある権利義務に関する法律行為につき作成した証書の原本については、その期限の到来又はその期間の満了の翌年から十年を経過したときは、この限りでない。

一 証書の原本、証書原簿、公証人の保存する私署証書及び定款、認証簿(第三号に掲げるものを除く。)、信託表示簿 二十年

 

そうすると,60歳の時に公正証書遺言を作成したが80歳を越えて存命の場合,60歳の時に作成した公正証書遺言が破棄されてしまい,新しく公正証書遺言を作り直さなければならないのでしょうか?

 

その必要はありません。なぜなら,公証人法規則には,さらに,保存期間が満了した後でも特別の事由により保存の必要があるときは,その事由のある間保存しなければならないと,規定しているからです。

 

公証人法施行規則27条3項

第一項の書類は、保存期間の満了した後でも特別の事由により保存の必要があるときは、その事由のある間保存しなければならない。

 

公正証書遺言の場合,「保存の必要があるとき」とは,遺言者が生きていることを意味します。

ですので,安心して,公正証書遺言を作成していだければと思います。

なお,厳密にいえば,どの程度の期間が過ぎれば,保存の必要がなくなるとするのかは,公証役場ごとに取扱いがことなります。

遺言者が120歳程度の年齢に達する期間が経過するまで破棄しないという公証役場もあれば,破棄は一切しないという公証役場もあるようです。

名古屋駅前公証役場の場合は,120歳までは確実に保管しているとお聞きしたことがあります。

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固定資産税と準確定申告

名古屋の弁護士の内堀です。

 

前回は,固定資産税の納税通知書が来ていなくとも(納期の開始が未到来)債務控除できるかということをお話しました。

 

今回は,準確定申告の際に,納期の期限が未到来の固定資産税を経費とできるかをお話したいと思います。

 

被相続人が亡くなった日及び相続人がそのことを知った日が平成30年3月1日。平成30年1月1日時点において,名古屋中村区の不動産を所有し,その不動産を貸して賃料収入を得ている場合を例に考えてみます。

この場合,固定資産税等の納税通知書はささしま市税事務所から4月中に,被相続人の住所地又は手続きが済んでいれば相続人の住所地に送付されます。

そもそも,準確定申告とは,相続人が,被相続人の平成30年1月1日から死亡した日までの所得について,相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内におこなう必要のある申告です。

平成30年3月1日に相続の開始を知っていたならば,平成30年7月1日が申告期限となっています。

例年通り,平成31年3月15日までに申告すればいいというわけではないことに注意が必要です。

 

 

そして,所得税法等は,経費とできる範囲について

 

所得税法第37条(必要経費) 

 その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。

 

所得税法基本通達37-6(その年分の必要経費に算入する租税)

法第37条第1項の規定によりその年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入する国税及び地方税は、その年12月31日(年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時。以下この項において同じ。)までに申告等により納付すべきことが具体的に確定したものとする。ただし、次に掲げる税額については、それぞれ次による。

(3) 賦課税方式による租税のうち納期が分割して定められている税額 各納期の税額をそれぞれ納期の開始の日又は実際に納付した日の属する年分の必要経費に算入することができる。

とありますので,被相続人が亡くなったのが3月であれば,平成30年分の固定資産税等は,納期の開始日が到来しておらず,実際に納付することもできないので,経費とはならいないことになります。

固定資産税と債務控除

弁護士の内堀です。

 

今回は,相続税の計算の際に,まだ払っていない固定資産税を債務控除できるか,ということについて書いてみたいと思います。

例えば,平成30年1月1日時点において,名古屋市中村区の不動産を所有していれば,ささしま市税事務所から固定資産税等の納税通知書が,4月中に送付されます。

そして,被相続人が亡くなった日が平成30年1月2日であった場合,まだ納税通知書すら来ていない固定資産税を債務控除できるのでしょうか。

4月に納税通知書が来ることが確実ですが,相続開始日には,納税通知書が来ておらず,その額もわからない。債務控除できるか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

 

前提として,固定資産税はその年の1月1日に当該不動産を所有している方に,賦課されます。

地方税法

(固定資産税の納税義務者等)

第三百四十三条 固定資産税は、固定資産の所有者・・・に課する

(固定資産税の賦課期日)

第三百五十九条 固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。

 

また,相続法では,

(債務控除)

第十三条 相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得した者が第一条の三第一項第一号又は第二号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。

一 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)

第十四条 前条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る

2 前条の規定によりその金額を控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続人に係る所得税、相続税、贈与税、地価税、再評価税、登録免許税、自動車重量税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税及び印紙税その他の公租公課の額で政令で定めるものを含むものとする。

 

と規定されています。

これらの規定から,相続開始日が平成30年1月2日である場合,平成30年1月1日に不動産を所有していた被相続人に固定資産税という公租公課が賦課されることは確実なので,固定資産税の額をを債務控除することができそうです。

相続開始日に,納税通知書が来ているか否か,すでに固定資産税を支払っているか否か,は関係ありません。

遺留分と不動産

名古屋も少しずつ暖かくなり,桜のきれいな季節となってきました。

弁護士の内堀です。

 

今回は,不動産と遺留分について,書いてみたいと思います。

 

相続財産が不動産しか無い時,絶対に不動産自体をもらいたいと主張する遺留分権利者もいますし,絶対に金銭をもらいたいと主張する遺留分権利者もいます。

 

法律上はどうなっているのでしょうか。

 

一般論として,日本の民法では,物の遺留分は,原則として,金銭ではなく,共有持分をもって清算されることになっています。

そのため,相続財産について,不動産しかない場合は,共有持分につき,不動産の移転登記請求権を請求できるにとどまり,遺留分権利者が,不動産の共有持分に相当する金銭を請求することはできません。

 

他方,遺留分を請求されている側(以後,受遺者といいます。)は,遺留分権利者と当該不動産を共有したくないと考えれば,遺留分権利者に対し,金銭で遺留分を支払う旨意思を表明し,遺留分に応じた金銭を支払うことで,移転登記請求を免れることができます。

 

以上をまとめると,相続財産が不動産しかない場合,遺留分権利者は原則として,不動産の持分について移転登記を請求することしかができないのですが,受遺者が,金銭で賠償したいと反論した場合にのみ,遺留分を現金でもらうことができます。

配偶者の税額軽減の注意点

前回の記事では,配偶者の税額軽減について,概要を説明しました。

今回は,配偶者の税額軽減の注意点に関する記事です。

 

まず,気をつけなければならないのは,配偶者の軽減は,配偶者が実際に受け取った相続財産を基礎に計算されるため,相続税の申告期限までに分割されていない財産は,原則として,税額軽減の対象にならないということです。

相続税の申告期限とは,被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。

 

ただし,相続税の申告の際に添付書類として,「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出して,3年以内に相続財産を分割すれば税額軽減を受けることができます。

3年以内に分割できなくとも,申告期限後3年経過した日の翌日から2か月以内に,「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認請求書」を税務署に提出し,税務署長の承認を受けていれば,分割できない事情がなくなった後4か月以内に,更正の請求手続をすることで,税額軽減の対象となります。

以前の記事にも書きましたが,相続でもめると3年ぐらいはあっという間に経過してしまいます。

いつまでに,何を何処に提出しなければならないのかは,しっかりと記録し,忘れないようにしましょう。

配偶者の取得した税額の基礎となる財産が1億6000万円(基礎控除等の計算後の配偶者の取得額)で,配偶者の税額軽減を受けられる額も1億6000万円であったのに,これらの手続を忘れた場合,他の特例などを考慮せず単純に相続税を計算すると,

(1億6000万円-1700万円)×40%=5720万円

このように,5720万円の相続税がかかってきます。

絶対に忘れないようにしましょう。

 

他にも,配偶者の税額軽減を受けられなくなる場合や,配偶者に法定相続分以上に1億6000万円ギリギリまで財産を集中させることでかえって税金面で,後々損をすることもありますので,ご心配な方は,弁護士等の専門家にご相談ください。