過払い金と確定申告

名古屋の内堀です。

今年も確定申告の時期がやってまいりました。申告期限最終日に焦らないようにしていきましょう。

 

少し話は変わりますが,私が所属する名古屋の事務所では,過払いの請求について弁護士に相談に来られる方が多く,また,実際に過払い金を取り戻すことができた方がたくさんいます。

 

ただ,過払い金というお金を取得することで,確定申告が必要になってくるのではないかとご不安に思われる方もいらっしゃるので,本日は,過払い金と確定申告をテーマに記事を書いていきたいと思います。

 

そもそも,過払い金を請求し,過払い金を取り戻せたお金の中には,払いすぎた利息以外のものが含まれることがあります。

それは,過払い金利息です。

過払い金利息は,過払い金元本(これが払いすぎた利息そのものです。)が発生してから返還されるまで,年間5%の割合で,発生していきます。

 

過払い金元本に関しては,もともと払う必要のなかったお金が返還されただけなので,所得があったとはいえず,課税関係は生じません。

つまり,確定申告は不要です。

 

しかし,過払い金利息に関しては,その支払いを受けた日の属する年に雑所得があったことになります。

給与所得者の場合,年末調整によって,所得税額が確定し,基本的には,確定申告は不要となることは,皆さんご存知だと思います。

しかし,今回のように,雑所得の額によっては確定申告が必要(所得税法121条参照)となってきます。(雑所得の額以外にも確定申告が必要となる場合がありますがここでは割愛します。)

具体的には,過払い金利息が20万円を超える場合には,確定申告が必要となります。

 

過払い金利息だけで20万円を超える場合というのは,過払い金元本が多額であったり,過払い金元本の発生から返還までが長期間である場合に限られますが,注意が必要です。

 

なお,過払い金の発生の原因である借り入れが事業のために行われたもので,借入返済の際に支払った利息を経費としていた場合は,この記事の内容とは違った取扱になりますので,詳しくは専門家にご相談ください。

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確定申告と医療費控除 3

弁護士の内堀です。

確定申告の期限も迫ってきました。

名古屋中村区の方であれば,ウインク愛知が確定申告会場となっています。

 

今回も医療費控除の話題の続きです。

医療費控除は単純に見えて意外に落とし穴が多く,医療費控除の対象になると思われているものが,対象でなかったり,医療費控除の対象にならないと思い込んでいたものが対象であったりします。

 

大雑把にいえば,治療目的で支出したものかどうかが,判断基準となります。

そのため,予防目的,健康維持促進目的の場合に支出したものは,医療費控除の対象になりません。

 

例えば,予防接種の料金を医療費控除の対象だと考えておられる方が多いですが,予防接種は基本的に予防目的であるため,医療費控除の対象にならないと考えておいた方が無難です。

 

また,病院までの交通費は医療費控除の対象にならないと思われている方が多いですが,実は医療費控除の対象となります。

ただし,基本的に公共交通機関を利用した場合の交通費が対象になり,特別な事情がなければタクシー代は医療費控除の対象ではありませんし,自家用車のガソリン代,駐車料金も同様です。

なお,公共交通機関を利用した場合は,しっかりと領収書等の証拠を残しておきましょう。