確定申告と医療費控除 1

第1 確定申告と医療費控除

そろそろ,確定申告の時期がやってきました。名古屋市中村区に住んでいる場合は,名古屋中村税務署に申告することになります。

確定申告期間は,平成30年2月16日(金)から平成30年3月15日(木)で,平成29年1月1日から平成29年12月31日までの会計結果を税務署に報告しなければなりません。

この時期になると,確定申告に関していろいろと質問を受けることが多いのですが,その中でも医療費控除のことについて,よく聞かれます。

医療費控除について,よく聞かれる内容をいくつか説明していきたいと思います。

第2 医療費控除とは

そもそも,医療費控除とは,医療費をたくさん払った人に対して,税金を軽くする制度です。

平成30年3月15日までに申告する場合であれば,平成29年1月1日から平成29年12月31日の間に,自己又は自己と生計を同じくする配偶者その他親族のために医療費を支払った場合で,その額が一定額を越えるとき,所得控除を受けることができるのです。

医療費控除=支払った医療費合計額-保険金等の補填金額-(10万円又はその年の総所得金額が200万円未満の人は,総所得金額の5%の金額)という計算によって,医療費控除の対象となる金額が導き出されます。

保険金等の補填金額とは,高額療養費や出産育児一時金等も含まれます。

なお,保険金等の補填金額は,その保険金等に対応する支払済医療費の金額を限度として差し引きます。

例えば,ある怪我の治療のため医療費が15万円かかり保険金が20万円給付された場合,引ききれない5万円について他の怪我のために支払った医療費に補填して,医療費控除の金額を計算しないということです。

第3 よく聞かれる質問について

1 確定申告をする本人の医療費のみが医療費控除の対象ですか?

すでに,説明したとおり,生計を一にする配偶者・親族の医療費であれば対象になります。

成年した子どもであっても,親が金銭面も含めて生活の面倒を見ている場合であれば,生計を一にしているといえるでしょう。

なお,1年を通して生計を一にしている必要はなく,医療費の支出があった時点で生計を一にしていれば大丈夫です。

2 医療費控除は10万円以上の医療費を支払ってなければ,関係ありませんよね?

これもすでに説明したとおりです。

医療費控除は,その年の総所得金額等が200万円未満の人は,総所得金額等の5%の金額以上の医療費を支払っていれば,所得控除を受けることができます。

ですから,10万円以上の医療費を支払ってない場合でも,医療費控除を受けられる可能性があることに注意してください。