相続税と生命保険金

4月に入りましたが,名古屋はまだ時々寒い日があります。

 

今回は,相続税と生命保険について,説明していきます。

 

保険料負担者及び被保険者を被相続人,保険金の受取人を相続人とする生命保険を利用することで,相続税を軽減できる可能性があります。

死亡保険金は,法定相続人1人につき,500万円の非課税限度額があります。

例えば,法定相続人が3人いる場合は,死亡保険金が1500万円あったとしても,死亡保険金すべてが,非課税となります。

なお,例えば,法定相続人が3人いて,保険金以外の相続財産が5000万円,死亡保険金が2000万円ある場合,課税財産は,5500万円(5000万円+2000万円-1500万円)となります。

 

死亡保険金によって,非課税限度額を最大限利用するためには,現在所有する財産がどれだけあるのか,仮に現在相続が発生した場合に,どれだけ相続税が発生するのかをシミュレーションして,どれだけの額の保険に入るのかを検討する必要があります。

例えば,法定相続人が3人の場合は,基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3)なので,現在所有している財産が4800万円以下であれば,相続税対策を考える必要はなく,保険に入る必要も,相続税との関係ではないといえます。

 

また,死亡保険金は,納税資金の確保としても利用することができます。

相続財産が土地ばかりであることが予想される場合,相続人間の関係が悪く被相続人の預貯金を引出すことができない可能性がある場合は,納税に必要な資金を相続税申告及び納付の期限である相続後10ヶ月以内に取得できない可能性があります。

他方,保険金は,保険受取人固有の財産ですので,相続人間で紛争が起こったとしても,紛争とは関係なく,保険を受け取ることができます。

 

相続税との関係で保険に入ることを考えられておられる方は,ぜひ一度ご相談ください。